維摩経(ゆいまきょう)の世界
白石凌海著「維摩経の世界」(講談社選書メチエ)p.82, 83, 84
仏国土の神変: 世尊は御足の拇指(おやゆび)でこの三千大世界を打ち砕いた。すると、そのとき(中略)ラトナビューハ(宝荘厳)如来の無限の功徳の宝で荘厳された世界のように、この世界が現れたのである。(中略)この同じ一つの世界が、次の瞬間に、まったく別の世界に変化するのである。(中略)このような経験・事態は、昔むかしのお伽噺あるいは舞台上のお芝居ではなく、現実に起こる。ラーマクリシュナ(1836~1886)とヴィヴェーカーナンダ(1863~1902)の出会い、弟子のヴィヴェーカーナンダが師匠ラーマクリシュナを訪ねたときのことである。(中略)ロマン・ロラン「ラーマクリシュナの生涯」宮本正清訳、一七八頁